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Doll Master2 〜2人目〜 第7話
飯場正臣

 男が言ったように、ミサは既婚者だ。
 子供もいる。
 幼いうちは何かと手がかかり、粉ミルクをあげずに母乳のみで育てたミサは、数時間ごとに起こされるという寝不足を半年以上、味わった。
 肌も気力もぼろぼろになり、子育てノイローゼになりかかったほどだ。

 結婚し、子供が出来ても、亭主はゲームばかりしていて、家事などロクに手伝ってくれなかった。
 子供が2人になったようなものだ。

 彼女は自分の時間がまったくなかった。
 たまに時間があっても、子育てに必要な知識を覚えなければならない。
 やがて、子供は小学校にあがり、多少は手がかからなくなったが、日々の些末な事に時間を取られるのは変わりなかった。

 仕事にかかり切りで、忙しく、家族の事にまで気が回らない。
 そんな父親はいくらでもいるようだ。
 幼稚園でも小学校でも、ママ友がよく愚痴っていた。

 そんなのは贅沢な悩みだと、ミサは思っていた。
 稼ぎもしなければ、子育てにも興味がない、家事もしない旦那なんか、周囲にいなかったのだ。
 家計が苦しいと言っている母親がいたところで、少しでも余計な時間を短縮しようと、食洗機を買っただの、子供の送り迎えが楽になるようにと電動サポート付きの自転車を買っただのと、 自分たちで勝手に家計を圧迫しているのだ。

 自動車税もバカにならないわ・・・。

 そんな愚痴を聞いたところで、車どころか免許も持っていない自分たちには未知の悩みだった。
 子供の情操教育を少しでもしてあげようと、演奏会や何かの体験教室に行くにも、無料のところを必死で探したものだ。

 少しバイトに出ては、帰ってきてゲームばかりしている旦那の顔を見て、彼よりも遙かに若い父親達がしっかりした顔をしているのを思い出し、ため息をつく。

 子供は何かとお金がかかるのだと、ミサはパートにまで出ているのに、亭主は無関心。
 妻がいるのにギャルゲーを買ってきては、だらしない顔でプレイし、無駄に興奮しては独りよがりなセックスを要求をする。

 オルガスムスに達した試しなどなかった。
 おざなりな前戯と、早すぎる挿入に射精。
 頭の中ではギャルゲーのキャラクターでも思い浮かべているのではないかと思うほどだ。
 またため息をつく。
 そんな日々だった。

 パートが休みで、旦那が家にいる時は、少しは子供の面倒を見ていてほしいと懇願し、つかの間の自由な時間をネカフェで過ごすのが、ミサの唯一の楽しみだったのだ。


第8話に続く

2012/12/25 初版

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