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Doll Master2 〜2人目〜 第18話
飯場正臣

 男はしばらくトイレで放心していた。
 ミサはいなくなっている。

 事が済んだあとも彼女はしばらく余韻を楽しんでいた。
 出したあと、抱き合ったままだったし、何度か頬にキスされた。
 男の知識では、妊娠の危険性が高くなると聞いたことがあったのだが、しばらく抜くこともせず、男の肩に顔を乗せたままでいたのだ。

 初めてながら、どうやら人妻を満足させることが出来たようだと、男は少し自信のようなものが沸いていた。
 はっきり言えば、射精したあとは急速に冷めていた。
 ミサの唾液臭に嫌気が差したし、ずっとくっついている彼女を煩わしく感じてもいた。
 それでも我慢して為すがままにされていたのは、旦那との性生活を聞いていたからだ。
 出したら、すぐに反対側を向いて寝てしまう。
 ひどい奴だと思ったが、今はその気持ちがよく分かった。

 ミサは手慣れたもので、自分のあそこをトイレットペーパーで拭き、何事もなかったかのように個室を出ると、鏡の前で髪を整えて出て行ってしまった。
 そうだ、催眠を解かないと!
 ちょっと焦ったが、考えてみれば、催眠術はかけていなかった。

(女ってすげぇ・・・)

 正直な感想だった。

 全身にミサの香りが残っており、それはそんなに悪い気分がしなかったが、倦怠感に包まれたままノロノロと身支度をした男は、自分の革鞄をブースに置いてきたことを思い出した。

 焦った。
 早足でトイレから出て、自分の借りているブースに戻った。
 荷物がそこにあり、催眠術の本も入っていた。
 危なかった。
 女にうつつを抜かしているのはどっちだ。
 男は深く反省しながらも、女体の魅力に取り憑かれたあの男の気持ちも理解していた。
 ふと見ると、机に置いてあるレディコミの上に封筒とビニール袋が置いてあり、メモが貼ってあった。

<来週もここに来ます>

 おそらくはミサの字なのだろう。
 封筒には、男が入れておいた現金が手つかずで入っていた。
 思わず顔がニヤける。
 またやらせてくれるのか?

<いや、そんな次元の話ではないだろう!>

 男は激しい自己嫌悪に襲われた。
 催眠術を使えば、誰であろうとよりどりみどりのはずなのに、やらせてもらえるだと?
 催眠術師失格ではないか。

 しかも、ミサをそのまま逃した。
 催眠術をかけて、今日のこの事を忘れるようにしなかった。
 ビニール袋に入っているミサのパンティーをぼんやりと見ながら、何度目かの反省を自分に促す。

「まあ、いいか・・・」

 男はネカフェでそのまま眠る事にした。


「Doll Master2 〜2人目〜」完

2013/07/09 初版

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