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小奴隷 (8)
飯場正臣

「・・・」
「な、なに?」
「がさつな女とか思ってない?」
「ないない」
「顔にそう書いてあったけど」
「書いてない書いてない」

 ツリ目をいたずらっ子みたいに輝かせて囁いてくる。

「ふ〜ん・・・美樹の唾液を塗り込んだ顔に書いてあったような気がしたんだけどな、キヒヒ」
「や、やめろよ!」

 それこそ誰かに聞かれたらどうするつもりなんだ!!
 僕は静かに怒った。

「はいはい、小声で怒ってもこわくな〜い」
「くっ・・・」

 これだから。
 これだからこういう女子は嫌いなんだー!

「鹿島さ、1階のトイレに来てくんない?」
「な、なんで」

 2時間目が終わった今、20分休みっていうのがあって、外に出て遊ぶ生徒も多い。
 僕はだいたい本を読んでるんだけど。
 今、読んでいるのはネットで見つけた『学校から帰ってきたらうちにマーニャがおりました』っていうライトノベル。
 ちょっと考えられないほど切ないおバカさ加減で、たぶん、続編ではもっとひどい目に遭うと思う。

「20分休みの間、ちょっと付き合ってよ」
「1階のトイレって来客用で使っちゃいけないんだよ」
「そんなの知ってる。早く行きなよ」
「あ、あんな誰も行かないとこイヤだよ」
「ふ〜ん・・・」
「な、なに?」
「これ」

 森本が手にしている携帯には、僕が這いつくばって矢野の唾を飲んでる画像が!!
 な、なんで!?
 いつの間に・・・。

「私は脅したりするの好きじゃないんだよねぇ」
「・・・(今だよ、今! 今、これ以上ないくらいに脅してるよ!)」
「手を引いて教室から出たら目立つから、自分で行ってほしいっていう私の優しさが分からないかなぁ」

 優しいっていうのは、恵ちゃんみたいに心配してくれる女子を指して言う言葉だぁぁぁ!
 悪魔めっ!
 滅びてしまえ!
 第3者視点で、自分の痴態を見るのがこんなにダメージを受けるとは思わなかったよ。

「・・・じ、じゃ、僕、ちょっと用事があるから」
「1階に?」
「う、うん」

 僕は教室を出た。
 誰にも気にされなかった。
 恵ちゃんの方をチラっと見たんだけど、他の女子とお話ししてた。


(9)に続く

2013/10/01 初版

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