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Doll Master 2.5 〜その後〜 第19話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 正直なところ、男はそんなに喜んではいなかった。
 自分の研究は金では買えない。
 催眠術は己の努力以外に会得する術がないのだ。
 毎月、しっかりとやってくる家賃の請求にびくびくすることがない。
 男が素直に喜べたのはそれくらいのものだった。

 もうひとつはいわゆる魔法使いになるんじゃないかという懸念が払拭されていたことだ。
 男は匿名掲示板のくだらない書き込みを読んで、気晴らしをすることがあった。
 よく目にしたのは、30歳まで女性経験がないと魔法が使えるようになるという嘲笑だ。
 本当にくだらない。
 だが、自他共に認めるキモデブの自分は、風俗店に行かない限り、行ったとしても要するに素人童貞であり続けるであろうことを薄々、覚悟していた。

 しかし、それは3週間前のネカフェで、解消されていた。
 ミサという人妻にいろいろと見抜かれたっぽいのは不覚だが、女体の神秘を心ゆくまで味わえたのは確かだ。

 男はあれ以来、たとえ意識しなかったとは言え、資産を着々と増やし、その一方で、催眠術の研究・修行に没頭したのである。

 2冊の本のおかげもあり、腕前は見違えるほどに上達していた。
 その間、たまに思い出したのは経験させてくれたミサの事だ。
 女性を理解することは、覚えていないくらい昔に諦めていたが、ミサについてはあまりにも理解不能だった。

(ふつう、強姦未遂男に中出しさせるか?)

 もらったパンティーは金庫に入れていた。
 自分でも滑稽だったが、実印と権利書の他には、催眠術について書かれた本以外に入れるものがなかったからだ。
 なんとなく大事だったし、隠しておきたいような気がしたためだった。
 ミサに出会ったことで、男は心理学も研究対象にしていた。

 そのミサからは週に一度、必ずメールが来ていた。

<明日、ネカフェに行きます>


第20話に続く

2014/10/28 初版

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