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Doll Master 2.5 〜その後〜 第31話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 絵美は車の中でひとしきり泣いた後、自分がいかに了見の狭い女だったかを悔やんだ。
 男はもはや追い込む気も失せ、可哀想になっていたので、児童館の前まで送ると言ったのだ。
 だが、彼女は頑なに拒んだ。
 ラブホテルに行きたいと言い出し、タバコを吸っていた男は咽せ込むほど驚いた。

「お・・・おい。俺はもう怖がらせないし、約束は守る。あんたにも家族にも何もしないって。俺がちゃんと約束を守るのは昼間の件で知ってるだろ」
「・・・うん」
「用事があるなら送るが・・・客を取るとか、そんなことしてないだろうな?」
「そ、そんなことしてないわ!」

 絵美が即答した。

(まさかこの状況でオナりたいとか言うんじゃないだろうな)

 まぁ、そうしたいなら送っていくけど・・・。
 男は絵美が何を考えているか分からなかった。
 少なくとも一人で入るなんてヘンな女だ、くらいに考えていたのだ。

「どうしても・・・」
「ん?」

 車を繁華街に走らせながら、男が曖昧に返事する。
 自分は元々、夜行性なので疲れているわけでも眠いわけでもなかったが、女の夜更かしは肌に悪そうだと考えていた。

「どうしてもミサさんに負けたくないの」
「だからそれは・・・」
「分かってる。お話しは分かったし、私も約束する・・・けど」
「けど?」
「ミサさんと同列にはなりたいから」
「ごめん、分からない。何の話なんだ? 俺に出来ることはするけど、それと一人でラブホに入ることに何の関係が・・・」
「一緒に入って」
「それじゃ、一緒に入ろう。んで、何を・・・ええっ!?」

 男は驚きのあまり、ドリフトしそうになった。
 急減速しながら、思い切りハンドルを切ってしまったのだ。

「ち、ちょっと!」
「悪い」

 リアが流れ始めてすぐにカウンターを当てたので、どこにもぶつかることは無かったが、2人ともかなりドキドキしていた。

「俺と入ってどうするんだよ。びっくりしたじゃないか」
「私もびっくりしたわよ! 抱いてってはっきり言わないと分からないの! これだから・・・あ・・・」
「調子が戻ってきたな、ははは。いいんだ。これだからキモデブは、そうじゃなければ、これだから女の扱いを知らない野郎は・・・だろ?」
「・・・ごめんなさい」
「謝らないでくれ。この車にパソコン以外で乗ってくれたのはミサさんとあんただけだ。2人とも美人なんてありえない。もはや超常現象だよ。俺はもう一生分の運を使い果たしたかもしれない」
「・・・」
「俺、えっちヘタだし、デブだからやめた方がいい」
「ミサさんとはしたんでしょ」
「無理矢理な」
「ウソ」
「本当だ」
「それでもいいから、ミサさんにしたことと同じことはされたいの」

 男はため息をついた。
 ちらっと絵美の方を見ると、前を見たまま真剣な顔をしていた。

「なんで、そんなに対抗意識を燃やすんだ?」
「べ、べつにそんなんじゃ・・・」
「それなら帰って寝ろ。夜更かしは肌に良くないって聞いたことがある」
「夜中に呼び出したのはあなたでしょ」
「う〜〜〜む」

 この女は気が強いが、自分なりに罪滅ぼしでもしようとしてるんだろうか。
 贖罪という意味では、自分ほど気持ちの悪い相手もいないだろうから、しっかり罪を償えるだろうが・・・。


第32話に続く

2015/01/21 初版

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