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Doll Master 2.5 〜その後〜 第45話
飯場 正臣 feat.大和武尊

「うぷっ・・・うぐぐぐぐぐぐぐ」

 男は何をされたか分からず、ぱっと目を見開いた。
 両腕を首に回した絵美が、ぐりぐりと唇を押しつけてきていた。
 口紅とファンデーションの香り、香水までもが漂ってきて、いかにも大人の女という臭気に包まれる。

「ん〜〜〜〜〜、ぷはぁ・・・」

 たっぷり数十秒ほど押しつけたあとで、絵美は顔を放し、目を開けた。
 首には腕を回したままで、身体はぴったりとくっついていた。

「ご、ご、ごごご、ごめん。何か、どっか失敗した。か、掛け直す」

 男は慌てて、彼女を引き離そうとしたが、絵美は離れようとしない。
 獲物を捕獲した蛇のようにくっついてくる。

「ちゃんと掛かったわ」
「条件付けに問題があったんだ。ほんとにごめん! すぐに・・・」
「私、冷静よ」
「い、いや、ちゃんと本音が出てないから。こ、こんなキモデブに・・・」
「そんなの見れば分かるわ。本音で好きになっちゃったみたい」

 そんな馬鹿なことがあるもんか!
 男は唸った。
 どこかに邪念があったのだ。
 つい、可愛いって思ったのがまずかったのか、自分が根っから性欲の権化みたいな人格なのかは分からない。
 まずい・・・。
 状況はかなり逼迫している。
 こんな美女にぺったりくっつかれていたら、理性が崩壊するのは時間の問題だ。

「そ、それも催眠だから。悪用する気はなかったんだ、ほんとに」
「それじゃ悪用して。ちょっとえっちになるくらいにして」
「コラコラコラ!」
「そうしないとあなたがたいへんになるわよ」
「も、もうなってる・・・」
「すごくえっちな気分になってるの。ちょっとえっちか、少しえっちくらいにしないとあなたが心配だわ」
「・・・そ・・・そりゃ、たいへんだ・・・」

 男は、絵美が本気で言っている事が分かり、急いで催眠をプリセットしようとした。
 今、抱いている気分、思っている事は全部、気のせい。
 記憶以外は全部リセット。
 その効果はすぐに発揮される。
 今すぐに!

 セットは完了した。
 間に合った。
 あとは息を吹きかけるだけだった。

 ふぅ〜〜〜〜〜〜〜っ。

 危なかった・・・。
 絵美はしばらくぼんやりしたが、すぐに目に生気が戻ってきた。
 抱きついたままの彼女に何をされるんだろうか?
 男は少し不安になった。
 このままフロントスープレックスでもされたらどうしよう。

(あれ、受け身がとれないんだよなぁ・・・とほほ)

 ぎゅ・・・

 絵美の両腕に力が入った。
 首折り?
 背中に移動してのサバ折りですか・・・ソウデスカ
 ベアハッグでまっぷたつね・・・ワカリマス

「うん・・・そんなにブサイクでもないのね、うふふ」

 ち、違う!
 気のせいってのはソコじゃない!!
 感情を全部リセッシュしてくれぇ。

 男は消臭剤と間違えながら、心の中で叫んだ。


第46話に続く

2015/04/29 初版

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