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Doll Master 2.5 〜その後〜 第52話
飯場 正臣 feat.大和武尊

「じゃあ、まずはしたいことを出来るように、言いたいことが言えるように心を解放しましょうか」

 男がおもむろに言った。
 ミサはソファに寝そべるように座っており、足はオットマンに投げ出していた。
 男がセッティングしたのだ。
 プリセットした催眠内容を一気に作用させる、2冊の本を手に入れてから得意としている方法とは根本から異なっている。
 息を吹きかける必要もない。
 というよりも、実際にリラックス効果を確認できたら、後暗示催眠をかけることになるので、いちいち息を吹きかける方法は使えないのだ。

 何かしようとした際、言いたい事がある際、願いを叶えようとせず、ブレーキをかけてしまう。
 それが、ミサの美徳であることは確かだが、それはストレスが溜まる原因にもなり得ると判断していた。

「一番したいこと。それを実行に移せるというのは、我慢の対極に位置します。深層心理を知る上でも大事なことだと思いますので」
「おまかせします」

 彼女は男を信用しきっている。
 催眠自体は掛かりやすいだろう。

「水に浮かんでいると思って下さい。身体は重力から解放されます。部屋の光量を落としますよ。でも、沈んでいくわけではありません。あらゆる力から分離するだけです。自由になれるんですよ」
「はい」
「さぁ、まぶたが重くなってきます・・・気分はどうですか?」
「ドキドキしています。綺麗な部屋ですし、窓からの夜景もとっても綺麗で♪」
「・・・」

 こりゃダメだ・・・。
 男は気付かれないようにため息をついた。
 リラックス状態どころか、ミサは興奮している。
 滅多に見れないであろう、はしゃいでいるミサは可愛いのだが、それは今からやろうとしている催眠には邪魔な要素だった。

「あ、あの・・・ミサさん・・・」
「はい♪」
「部屋の散策はあとで時間の許す限りできますから、今は・・・」
「あ、そうですね♪ お風呂も大きいんですよ♪ ゆっくり足を伸ばせそうです♪」

 目を閉じたまま、にこにこしているミサを見て、男はがっくりうなだれた。


第53話に続く

2015/06/16 初版

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