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Doll Master 2.5 〜その後〜 第54話
飯場 正臣 feat.大和武尊

<8日後・・・午前1時半>



 公立小学校に隣接している児童館の横に車を停めていた。
 学校の校庭とは別に、児童館用の庭がある。
 都内でこれほどの敷地を占有するのだから、教育に力を入れている地域なのだろう。
 男は庭の金網に身体を預けて、のんびりタバコを吹かしていた。
 来ないかもしれない。
 いや、それどころか、あの気の強い女の事だ。
 開き直って、警察官と一緒に来るのかもしれない。

(その場で催眠をかけるから別にいいけどな・・・)

 男は余裕だった。


 *


 児童館には宿直もいなければ、夜警もいない。
 民間警備会社の設置した警報装置の類があるだけだった。
 男は23時前には来ていて、それを確認していた。
 何やらカメラとも火災報知器とも思える妙な突起があって、赤いランプが灯っている。

 厄介だと思った。
 機械に催眠は効かない。
 本当は児童館の体操マットかなんかの上で・・・と考えてもいた。
 アダルトゲームなどでは、よく体育倉庫のマットでくんずほぐれつしているではないか。
 ちょっと憧れていたが、これではどうしようもない。
 男は絵美を車に乗せて、どこかに行くしかないと諦めた。

 実を言うと、あまり絵美をいじめる気もなかった。
 泣かれるのは嫌いなのだ。
 そんなことをしている自分がみじめになる。
 もう十分に脅す材料を得ていたし、肉体的にはすでに一回、出していたというのもある。
 怖がらせれば良いという目的も果たした。
 2度とミサに嫌な思いをさせないと誓うなら、その間はネットにバラまかないと約束する。
 誓いを破ったら、お前の恥ずかしい音声は世界中に配信される。
 ただそれだけ念を押して、すぐに帰す予定だ。

(クソ生意気な女だけど・・・すごく悲しそうに泣くからなぁ・・・)

 ぼんやりと考えながら、タバコをもう一本吸おうとすると、誰もいない路地に人影が入ってくるのが見えた。
 こちらに向かって歩いてくる。
 昼間と同じ恰好の絵美だった。
 もっとも、ボタンが飛んだブラウスだけは着替えてきたようだが。

「ん?」
「何よ」

 挨拶もせずに腕を組んで目の前に立つ絵美は、やはり強気だ。
 男は警察官を連れていないことと、昼間とは違って、絵美がストッキングを履いていることに気が付いた。
 間違い探しみたいだ。
 男は喉の奥で笑った。

「気持ち悪い・・・こんな時間に呼び出すなんて何の用なの」

 吐き捨てるように言う絵美は、人気のあるパン屋の紙袋を差し出してきた。
 思わず受け取る男。

「なんだ?」
「忘れ物」

 中を見ると札束が入っていた。
 男が投げ捨てたものだった。


第55話に続く

2015/06/30 初版

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