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Doll Master 2.5 〜その後〜 第57話
飯場 正臣 feat.大和武尊

「あ、あの・・・ごめんなさい・・・」
「ランドマークタワーか? サンシャインか? 自宅はやめとけよ? 低すぎる・・・死に損なったら苦しむからな」
「だ、だから謝ってるでしょ。言い過ぎたわ」
「あのミサさんが、こんな女に媚びを売るシラミ野郎共に・・・」
「こんな女ってなによ!」
「考えるだけで虫酸が走るっっ!!!! 楽に死ねるなんて思うなよ・・・チンカスどもが・・・くっくっくっくっ」

 絵美は失禁寸前だった。
 両の膝ががくがくして立ってるのがやっとだ。
 この男は狂っている。
 絵美が知っている普通の人間とは思考回路が違い過ぎる。
 自分の思考回路が違っているはずはない。
 だから、この男はどこまでもイカレているんだ。
 そうとしか思えなかった。

「乗れ」
「や、やめて・・・」
「催眠をかけられる方がいいのか? 今の俺だと、素直に車に乗らせるだけじゃない。両手で首を絞めながらって条件が付く」
「お願いやめて」

 絵美が懇願しても許してもらえない状況に置かれたのは初めてだった。
 親にも先生にもどんな男にも許してもらえたのに、この男は聞こうともしない。
 足がすくんで動くこともできなかった。
 呼吸も苦しくなってくる。
 それでもこれ以上、男を怒らせたらまずいと思い、のろのろとミニバンの助手席に乗り込んだ。
 腰が砕けそうだったが、やっとの事でも乗り込めたのは、生来の気の強さが幸いしたのだろう。

 男は肩を怒らせたまま、車の外でタバコに火を点けた。
 すごい勢いで吸い込み、見る間にタバコが短くなっていく。
 煙はロクに吐き出されず、まとめて口から立ち上った。
 怒りに我を忘れたドラゴンのようだ。
 わずか3口でフィルターの根元まで吸った男は、そこまで怒りに震えているにも関わらず、律儀に携帯灰皿へと吸い殻を捨てた。

「ミサさんに指一本触れてみろ・・・家族全員なぶり殺しにしてやる・・・汚ねぇ死体をそいつの玄関先に吊してから、ありとあらゆる拷問タイムだ・・・生まれてきてすみませんって言うまでな・・・言われたところで何十年も続けてやるが・・・くくくくく」

 車外から聞こえてくるつぶやきは、絵美を絶望のドン底まで突き落とした。


第58話に続く

2015/07/21 初版

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