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Doll Master 2.5 〜その後〜 第58話
飯場 正臣 feat.大和武尊

「ご・・・ごめんなさい・・・本当にごめんなさい」

 運転席に乗り込んできた男と目が合うや、絵美は必死に謝った。
 男は見たこともないほど、すっきりとした顔をしている。
 絵美はなおを頭を下げようとしたが、男に止められた。

「みっともない事はやめましょうや」

 男がブサイクな顔に爽やかな笑顔を浮かべた。
 絵美が大粒の涙を流し出す。

「お願いやめて・・・何でもします! 何でもしますから」
「・・・」
「お金も返します。ミサさんには何もしません。土下座でも何でもします。私を飛び降りさせるなら・・・それでもいいから・・・お願いだから」
「・・・」
「お・・・お願い・・・うっく・・・子供だけは・・・うぅぅ」
「え?」
「お願いしますっううううううぅぅぅぅぅ」

 絵美が両手で顔を覆って泣き始めた。
 男は思い切りため息をつく。

「お前の家族に手なんか出すかよ」
「うっくうっく・・・ふぇ?」
「俺がなぶり殺しにするのは水虫にも劣る男どもに決まってる・・・ミサさんに手を出したら、生き地獄に追い落とす。簡単には殺さ・・・」
「そ、そんな男達はいないの! 本当にいないの・・・言っただけで」
「?」
「悔しがるだろうと思って言っただけで、本当にいないの・・・そんなにモテなかったし」
「なんだそりゃ・・・」
「学生時代もケバイケバイって言われてたみたいだし、求婚もされなかった・・・性格悪いからやめとけって男達が笑ってるのを聞いちゃったこともあるし・・・」

 男はどこに行くでもなく、適当に走らせていたが、目に止まったコンビニの駐車場に車を停めた。
 ベルトを外して、助手席に向き直って、絵美を見た。
 泣き腫らした目を見開いて、彼女は話している。
 嘘とは思えなかった。

「ちやほやはされたけど、本命じゃないのよ・・・いつも」

 信じられなかったが、そういうものかもしれないとも思った。
 生活には安らぎを求めるものだ。
 特に現代の男ならそういうものだろう。
 恐妻家などなかなかいない。
 強烈な女房をもらって攻めた生き方をするなんて、戦国武将ぐらいしかいないのかもしれない。
 そう思えば、彼女は女王様キャラのおもちゃだ。
 ちょっと綺麗でわがままな女に振り回されるってのは、学生時代の暇つぶしにはいいだろう。
 運良く一発ヤレたらラッキー。
 そういうことか・・・。


第59話に続く

2015/07/28 初版

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