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Doll Master 3 第11話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 缶ビール一本で熟睡した男は、翌日、二人のターゲットを絞り出した。
 一人は木宮の友人で、やはりムカつく思い出しかない嫌な男。
 もう一人は女だった。
 学生時代に席が近いというだけで同じ班になり、何かと因縁をつけられたのだ。
 いや、正確には激しく注意されたというだけだ。
 逆恨みに近いのは分かっていた。
 大がかりなイジメなどはなく、多くの生徒は大したことはなかったと思っているだろう。
 それでも何かの拍子に思い出すことがあり、頭に来る、嫌な気持ちになるのは変わらない。
 確かに心を傷つけられたのだった。
 特に女には---美砂という名前だが---よく睨み付けられた。
 提出するプリントを忘れた。
 掃除当番を忘れて帰った。
 相手にされていなかったので、睨み付けられる時はほとんどが男に問題があった。
 だが、理由はあったのだ。
 子供の頃はちょっとしたことで頭がいっぱいになる。
 プレッシャーに弱かった男は、とかく目の前の事で許容量がすぐにオーバーし、様々なことに気が回らなくなっていたのだ。
 それを言い訳するつもりはなかったし、分かって欲しいとも思わなかったが、どこかで気遣ってほしいと思っていたところはあった。
 しかし、イジメられているわけでもなく、体が弱いわけでもなく、ただの忘れっぽい生徒くらいに思われていたフシがある。
 男は自分が、自分に甘い人間だという認識をしてきた。
 悪いのは自分なのだ。
 それでも納得できずに嫌な気持ちを引きずっている。
 注意するにしたって、言い方があるだろう。
 睨まなくてもいいじゃないか。
 言い分はあったのだ。
 どうにもならないジレンマがそこにはあった。
 良い生徒なら問題が起きなかったのは分かっている。
 逆恨みをする最低の人間だと、自己嫌悪に陥ることもあった。
 だからハッカーという犯罪行為に手を染めているという部分も多分にあった。

 デジタル催眠が男に効くことは分かった。
 だから、次は女をターゲットにしようと決めた。


第12話に続く

2015/11/24 初版

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