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Doll Master 3 第18話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 もう少しラブラブの結婚生活なら、ブチ壊すのにも力が入るというものだが、美砂はドライな上に失う物がほとんどない。
 いちいち気に入らない。
 男は少し苛ついた。

 怒られない程度にじっくりと観察したのだが、何となく生活疲れも見えた。
 胸のふくらみや足腰を見る限り、肉付きは良さそうだが---男はガリガリの女性に何の魅力も感じなかった---少し体型が崩れているような印象も受けた。
 どことなくくたびれているのだ。
 若い女性に特有の魅力など求めていなかったが、美砂は下り坂を越えてしまっているような気がした。
「(熟女好きにはたまらないんだろうが・・・)」

 ウィークリーマンションに帰りながら、男は自分の容姿も顧みずにぶつぶつと文句を言った。


 ・・・


 男はその日のうちにウィークリーマンションをチェックアウトして、自宅へ戻り、ごちゃごちゃと大荷物を抱えて、美砂の住む町のホテルへ移動した。
 やることだけは早いのが長所だ。
 ビジネスホテルとシティホテルの中間みたいな中途半端なクラスのホテルに仕事道具やら着替えやらを広げると、スマートフォンを出した。

 例のファミレスに来るよう、美砂にメールで指示をする。
 8時過ぎに美砂と合流することになった。

 店に現れた美砂は、昨日と同じく化粧っ気はなく、アクセサリーの類も身に着けていなかった。
 ミュールも同じのを履いているようだ。
 服装も同じで、ワンピースだったが、今日はあずき色だ。

「(ほんとに普段着だな・・・)」
「あ・・・れ・・・? 最近会ったような・・・あんたと会う予定なんかあったかしら」

 どうやらデジタル催眠による記憶の操作はうまくいっているようだった。

 男は自分がいるホテルの部屋にでも連れ込もうかと考えたが、ホテル代やら電車賃もかかっていることだし、こんな女の為にまともなベッドを使わせることもあるまいと考え直した。

 おもむろに目の前でメールを打つ。
 すぐに美砂の携帯が鳴り、彼女はそのまま画面に釘付けになった。

<携帯電話が鳴ったらどんな時でも見るように>

 催眠でインプットしていたのだ。
 やがて半口を開けて、惚けたような顔になる。
 やり過ぎた。
 男は思った。

<何も考えずに着いてこい>

 催眠は効いているが、これほど効くとは思っていなかったのだ。
 ぱっと見では分からないが、よく見ると本物の阿呆に見える。
 完全に思考停止していた。
 一緒にいるのが恥ずかしくなった男は美砂の手を引いて、ファミレスの会計を早々に済ませた。


第19話に続く

2016/01/13 初版

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