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Doll Master 3 第33話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 イった後で帰路につく美砂の気持ちと、信じがたい己の変態さ---まだ確定していないと必死に否定はしている---に打ちのめされた男は、のろのろと駅ビルを出た。

「オヤカタサマ〜〜」

 ゲーセンのクレーンゲームの景品を入れるであろうビニール袋が何枚も下がっていたので、美砂のパンツはそこに入れてある。
 自分のパンツは履いたままなので、暴発したあとの気味悪さを噛みしめているところだった。

「オヤカタサマ〜〜〜〜」
「?」

 妙な呼ばれ方をしているのが自分だと気付いた時、いつぞやのタクシードライバーが目の前にいて、顔の前で手をひらひらさせていた。

「いやはや、奇遇でございますな。わたくしめは客待ちでこの駅のロータリーにおったのでござりまする」
「は、はぁ・・・」

 タクシードライバーは声を潜めて、男に耳打ちした。

「例の画像はフル活用させてもらっておりまするよ」
「そ、それはどうも」
「今日もお楽しみで?」
「そんなところです」
「お盛んでございますなあっ! このっこのっ!」
「い、いでで」

 ふざけながらも脇腹をドカドカ突いてくるタクシードライバーは満面の笑みだった。
 男はふと思い付いて、運転手にビニール袋を見せた。

「なんでおじゃる?」
「いや、そのお・・・この前の女のなんですけどね」
「腋美人ですな」
「え、ええ。彼女の使用済み下着なんですが・・・」
「ほほほお!? ドエライ宝物ではごじゃりませぬか! ささ、こちらへ」

 妙な口調のタクシードライバーに妙な勧められ方をされ、男は運転手の車へと案内された。
 車内に入ると、すぐさまメーターを<回送>に変更する。

「こうしないと順番を守らずに客を呼び込んだって、他のドライバーから怒られてしまうんですよ」

 そう言って苦笑いした運転手は真顔で、少しだけプロの片鱗を見せた。
 途端に破顔してでれっとニヤける。

「で? で? もちろんお宝を見せてくれるんでごじゃりましょうな?」
「あ、いやぁ・・・良かったらあげますよ」
「むっひょ〜〜〜〜♪」
「でも、とんでもなく汚れてるんですよ。もうヨーグルトみたいなのがくっついてて・・・」
「素晴らしいっ! いい〜〜〜〜〜仕事してますねえ」
「そ、それじゃ・・・どぞ」
「ありがたき幸せ!」

 運転手は少しだけ袋を開いて中を嗅ぐや「た〜か〜さ〜ご〜や〜っ!」と叫んだ。
 もはやわけが分からないが、どうやら喜んでもらえたようだ。
 感激したタクシードライバーはそのまま発進して、男のホテルまで無料で送り届けてくれた。
 さらに、降りる際、自分の名刺を差し出し、いつでも利用してほしいと両手をとって握手をして走り去ったのだった。
 名刺には半田と書いてあった。

「理解はできないけど・・・良い人なんだろうな」

 ホテルの前で男は呟いた。


第34話に続く

2016/05/03 初版

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