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Doll Master 3 第34話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 ホテルでシャワーを浴び、よく洗った件のトランクスを浴室に干していると、携帯のメール着信が鳴った。
 美砂からだった。
 彼女のアドレス帳では「わんにゃんショップイイバ」になっているはずだが、呼び出す際に普通にメールを送っていた為、男のアドレスだと分かったらしい。
 そう言えば消させるのを忘れていた。

「(まあいい。いざとなったら催眠で忘れさせるさ)」

 男はデジタル催眠の効果を信頼し始めていた。
 <Doll Master>は催眠はかからないのが通常であり、その時に困るような行動をするべきではないとしている。
 過信するなと戒めているのだ。
 男も調子に乗らないよう気を付けているが、ドールマスター発祥で男がチューニングしたデジタル催眠はよくかかる。
 その効果はあまりにも絶大に思えた。
 さっそくメールを確認すると、およそ美砂とは思えないようなしおらしい内容だった。

<叩いてごめんなさい。やっぱり販売されると困ります。販売しないでもらえないでしょうか>

 実際に販売したら法にも触れるし、身元がバレるので、困るのは男の方なのだが、美砂はそこまで気が回っていないようだ。

「うーむ・・・まったく脳内再生できん」

 思わずつぶやく。
 異常と言えば異常なのだが、美砂の声はキンキン怒鳴るか、敵意むき出しか、あえぎ声しか知らないのだ。
 敬語で話しているところを想像できなかった。
 ともあれ、彼女は少なくとも文書では常識人らしい。

<明日は昼過ぎにお会いしましょう>

 送信すると、すぐに返信が来た。
 会えば売らないでもらえるのか?
 美砂はしつこく確認してくる。
 かなり気にしているようだ。
 もっとも男にしてみれば、暴発パンツの件をネットでバラ撒かれたら顔を隠さずに表を歩く自信はない。
 白目をむいて絶頂したあとで失禁している動画となれば、その気持ちも分かる。

<来るか来ないかはお任せしますよ。来なくても販売はしません>

 こんなもんで安心するとは思えないが、男はとりあえずそれだけは約束すると送った。
 またすぐにメールが来て、どこだの何時だのと書いてあった為、デジタル催眠のURLを送りつけた。
 やりとりが面倒になったというよりも、メールを消させたり、アドレス帳について忘れさせたりとやることが多かったのだ。
 ついでにホテルに来させることにした。
 例のタクシーで送迎だ。
 あとで彼に電話をかけなければならない。
 彼女は自宅を出てタクシーに乗った後、この部屋に来るまでぼーっとしているだろう。
 この部屋で目を覚ませと言われない限り、ずっと。

 男にはまだやることがあった。
 今日の動画や画像を編集しなければならないのだ。
 第2弾だ!
 別に美砂を呼び出す材料を増やす必要はないのだが、半ば男の趣味になっていた。

『ゲーセン女 〜綺麗に撮れたよプリくぱぁ〜』

「プリクラとプリくぱぁを掛けているところなど、もうアートの域だな・・・」

 救いようのないセンスだった。


第35話に続く

2016/09/06 初版

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