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Doll Master 3 第46話
飯場 正臣 feat.大和武尊

「なんだこりゃ?」

 置いて行ったんじゃないのか?
 男は首をひねった。
 忘れたと言われても、もうすでにサル---半田というタクシードライバーだが---にあげる約束をしてしまっている。

<たくさん買ったものがあると思いますので、この下着は下さい>

 こんなもんで良いだろうと、送信しつつもお湯を沸かし出す。
 濃いコーヒーが飲みたかった。

 ほどなく着信が来た。

<私のパンティで何をするんですか>

「(あれ、まただ・・・)」

 男はちょっと不思議に思っていた。
 美砂はさっきも「私で」とか「私の」とよく言っていた。
 英語は日本語よりも所有格がしっかりしているので、「“私の”車」「“私の”ペン」などは日常的に使うが日本語ではそんなに自分の自分のと主張することは少ない。
 SNSを見る限り、美砂に外国人の友達はいないようだし、しょっちゅう海外旅行に行っている風でもない。
 だとすると・・・。

 元々、気の強い性格だ。
 彼女はいろいろと損をしているのかもしれない。

 男はコーヒーをすすりながら、そう考えた。
 顔をよく赤くするし、意外に---あまりにも意外過ぎるし、それで過去の嫌な記憶が薄れることもないが---可愛いところがあるのかもしれない。
 誰にでも注目されたいという自己顕示欲はある。
 そこに度の過ぎたプライドや負けん気の強さが加わればなおさらだ。

 もっとも社会人に、そして大人になればそういう感情は邪魔にしかならない。
 いつも、どんな分野でもNo.1でいることなど不可能だからだ。
 こうした連中は実にストレスが溜まりやすいと聞く。

 彼女は自分の評価が正当ではないと、もっと高くてもいいんじゃないかと不満に思っている?

 男は考え込んだ。
 本人に聞いても正直には話さないだろうし、結論も出なかったが、自分にはデジタル催眠があることを思い出した。
 美砂の自尊心をちょっとだけくすぐるのはどうだろう。
 失敗してただの勘違い野郎になるのはべつに問題ない。
 催眠で消すことができる。
 さっそく男は行動に移した。


第47話に続く

2016/11/29 初版

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