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Doll Master 3 第54話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 美砂は袋からひとつずつ出しては、感想をつぶやいていた。
 目を輝かせているところを見ると、やはり嬉しいらしい。

「へぇ〜、ハンターが着けてるポーチみたい。凝ってるなぁ」
「本当はハードケースがいいらしいんですけど、女性はバッグに入れて持ち歩くだろうから、これでもいいんじゃないかって友達と話してたんです」
「これは本体カバー? うわぁ、これ着けると限定品みたいになるのね」
「友達に本体は無難な白にしようって言われたんですよ。好きな色が分からなくても、このカバーを着ければモソハソ仕様になるから大丈夫だろうって」
「ふ〜ん・・・これは何かしら?」
「あ、それはハソターギアっていって本体の下に装着するんです。P乙3みたいな家庭用ゲームと同じ握りやすさになるそうですよ」
「本体、小さいもんね」
「こちらの拡張グリップっていうのでもいいそうです。自分に合ってる方を使って下さい。色は本体ケースに合わせてあります」

 次々に品物を出すが、美砂は開けようとはしなかった。
 パッケージを読んだり、裏返したりして熱心に見ている。
 男も待ち遠しい割には、なかなか箱を開けられない性格なので、彼女の気持ちがよく分かった。

「このボタンは? スペア?」
「それはボタンの上に付けるオプションです。すべり止めも兼ねていて、押しやすくなるそうです」
「ふ〜〜ん。それもお友達が?」
「教えてくれました」
「良いお友達なのね」

 美砂はにっこりした。
 男がどきっとするくらいの屈託ない笑顔で、半田を褒められたことも嬉しくなる。
 てっきり<ものすごいヲタクなのね>と言われるかと思っていたのだ。

「これがモソハソWかぁ・・・すぐにやりたくなっちゃうなあ」

 美砂がゲームソフトのパッケージを見ながら目を細めた。

「どうぞ。あ、お家でじっくり派ですか?」
「ああ、そうじゃないの。P乙PのVを買ったばかりだからね」
「ん〜〜〜、これも友達の受け売りなんですけどね。最新タイトルからやった方が良いそうですよ。今ならカード? っていうのがあるらしいんですけど、それの交換も盛んだろうし、クエ? というものとニャイルー? っていうものがたくさん交換できるだろうって言ってました」
「う〜ん」
「時間が経つと、皆、他のタイトルを始めたりするんじゃないかって。ただ、通りすがり通信っていうのがあるから、セーブデータがある限り、モソハソで遊んでなくてもさっきの交換できるものは流れてくるとも」
「それはいいわね♪」
「そうなんですか? 俺にはちょっと分からないんですけど、P乙Pも最新機種は軽いので2つ持ち歩いてもそんなには重くないんじゃないかって言ってましたよ」
「そうね・・・こっちも買ってくれたのよね」

 美砂が紙袋からP乙P30000の箱を出した。
 箱ごと持っても、自分が持っている古い機種より軽いと感心している。

「なんですか、クエとかニャイルーって?」
「ゲームしないの?」
「かなりのゲーマーを自称したいところなんですが、パソコン専門なんですよ。レースやFPS---ファースト・パーソン・シューティング・・・一人称視点のゲームで火器を扱うものが多い---ばっかりだから偏ってますし、ハハハ」
「ふ〜ん・・・クエはクエストね。ハンティングの内容が書いてあって、1時間弱の制限時間以内に達成するのが目的」
「ずいぶん長いですね」
「そんなことないのよ! 最初は10分もあれば終わるのばかりだけど、上位になったらギリギリで終わることもしょっちゅうなんだから!」
「ほほ〜」
「ニャイルーっていうのはこれ。パッケージのここに映ってるネコみたいな子」

 美砂はモソハソをまったく知らない男に、狩りのなんたるかを話した。
 様々な武器の種類、自分で材料を集めて作る防具、敵のタイプによって武器の攻撃属性を変えると楽になる・・・等々。
 楽しそうに話す美砂に、男は真剣に耳を傾け、自分もやってみたくなるほどだった。
 美砂もお友達とやったらきっと楽しいだろうと保証してくれた。
 彼女はたまにモソハソ女子会をやるらしく、そうじゃない時はソロで狩りに行くという。
 どうやら男がなりすましたSNSの女友達も狩り友らしかった。
 とは言え、美砂はモソハソUグレータースペシャルまでしか持っていなかったので、この集まりにもご無沙汰していた。
 昨日やっとVを買ったものの、狩り友達の話題はもっぱらWに移っていて、またしばらくソロ生活かと思っていたらしい。
 一気に追いついた。
 これで皆と狩りに行ける!
 しかも最新版はネット回線で、実際に集まらなくともオンラインで狩りに行ける!

「システムが不完全でめちゃくちゃ強い敵ばっかりのUGSをやってたんだから、皆には負けないわよ〜」

 目をキラキラさせて、拳を握りしめる美砂を見て、男は半田に感謝した。

「(昨夜、付き合ってくれてありがとう)」


第55話に続く

2017/01/24 初版

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