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Doll Master 3 第59話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 男は冷静に考えた。
 クァンティコは掠めただけでもこちらの命を縮めることになる。
 だが依頼はアクセス履歴の削除だ。
 産業スパイの痕跡を消せばいい。
 これは2時間で出来る。
 データの流出をなかったように偽装し、コンピュータにご認識させれば良いだけのことだ。
 困難なのはアクセス履歴だが、これも勝算はあった。

<自分ではない誰かにやらせればいい>

 クライアントとも関係のない人物が捕まろうが、どうなろうが知ったことではない。
 どちらかと言えば、まったく別の犯人が捕まる方がクライアントは喜ぶはずだ。
 完全に疑われなくて済むのだから。

 男にはデジタル催眠がある。
 そして、“犯人”の適役もいる。
 木宮の友人だ。
 復讐しようかどうか迷って、美砂にターゲットを絞ったが、ここで採用といこう。

 接触は木宮の時と同じ。
 あとはURLさえ見れば、奴はこちらの操り人形になる。
 下準備に2時間。

 ターゲットがメールを返信するまでの時間は未知数だが、SNSを見る限りではサラリーマンだ。
 昼休みに個人の携帯をチェックする可能性が高い。
 スマートフォンを持っていることも判明しているので、その場で催眠にかかる可能性も高い。

 午前中には用意が終わり、うまくいけば昼には“真犯人”から連絡が来る。
 その頃にはロケット開発企業内でのクライアントが収集した情報の痕跡も消えている。
 あとは“真犯人”になるであろう即席ハッカーに楽しんでもらおう。

 堂々とハッキングさせると勘ぐられる可能性があるので、あくまでも慎重に、足跡を消しながら、プロのように振る舞ってもらう。
 その為のプログラムも手筈も催眠もこちらで準備すればいい。

 こちらとのやり取りも完全に抹消するので、不安は残るが、遠隔操作をしているようなものだ。
 うまく侵入してくれるだろう。
 そいつの自宅のパソコンで。
 どんな機体かは知らないが、天才的な技術を持ったマヌケとして知られるだろう。
 FBIがスカウトすることもあるまい。

 おそらくは6時間以内にアシが着く。
 相手は連邦捜査局と軍だ。
 大々的な報道がされずに当局へ引き渡される危険もあるが、この時に催眠について疑われるとまずいので、動機ははっきりとさせ、とっとと自白させよう。
 知らない、覚えていないと主張されたのでは、こちらの都合が悪くなる。

 算段は決まった。
 落とし穴もなさそうだ。

 男はクライアントへ連絡した。

<From:コロニラ・バレンティナ・バリエガータ
 仕事は引き受ける。
 ロケット開発企業内での活動痕跡を全て抹消し、例の場所へのアクセス履歴については真犯人を用意する。
 このメールは閉じるとサーバーからも消去されるので注意。
 仕事の結果が気に入った時点で報酬の支払いを>


第60話に続く

2017/02/28 初版

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