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Doll Master 3 第60話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 男は仕事に集中した。
 そのおかげか、全ては算段通りに事が進んだ。
 幸運なことにターゲットからは昼に連絡が来て、すでに男の術中にある。
 ほどなく仕事は完遂するだろう。
 すでにロケット開発企業内で産業スパイが活動した痕跡は消してある。

「コーヒーでも飲むか」

 男が首をゴキゴキと鳴らし、ポットにお湯を沸かす準備をしようとすると、時計は午後6時を指していた。
 けっこう集中してたんだな、久しぶりにサイバースペースを泳ぎ回るハッカーに戻った気がする。
 そんなことを思っていると、メールの着信音が鳴った。
 美砂からだった。

「コーヒーを飲もうとすると、あの人から連絡が来る気がするな」

 男はつぶやきながらも、コーヒーを優先させた。
 今日は美砂を呼び出していない。
 仕事が入らなくても呼び出さなかっただろう。
 誰だって、新しいゲームにはハマりたいはずだ。
 それが待ちこがれたタイトルならなおさらだろうと思った。

<ファミレスで食事をします>

 最初に会った店のことらしい。
 それにしても、このメールは何だ?
 つぶやきSNSみたいな文面ではないか。
 いきなり<晩メシなう>と言われても困る。
 男はコーヒーを啜りながら、のんびりと返信した。

<たまには外食も良いですね。俺もまだ食べてないので、コンビニに行こうと思っています>

 旦那さんと一緒なんだろうか。
 優雅なものだ。
 いつも何かに追いかけられているような、油断ができないまま生きているというか、ハッカーとして世を忍ぶ仮の仕事をしていると、自分で選んだとは言え、たまに普通の社会人が羨ましくなることがあるのだった。

 すぐに返信が来た。

<それなら早く来て下さい>

「(うわぁ・・・)」

 目の前にいたら腕を組んで睨まれたんだろうと男は思った。
 彼女はメールでは敬体を崩さないが、要するに「とっとと来なさいよ!」ってことらしい。

 例の仕事は言うなれば待ち時間に入っている。
 午前中と昼過ぎにチョコバーを1本ずつ食べただけなので、腹ぺこなのも事実だ。
 男はすぐに出かけた。


第61話に続く

2017/03/07 初版

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