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Doll Master 3 第61話
飯場 正臣 feat.大和武尊

 ファミレスに着いて「待ち合わせ」だということを店員に伝えると、すぐに禁煙席の奥へと通された。
 そこでは当然、美砂が待っていたのだが、男はちょっと驚いた。

 黒いカーディガンを羽織っているのだが、中に着ているのはサテン地でブラウンのタンクトップだかキャミソールだからしく、肩紐が見えていて、胸元も大胆に露出していた。
 下はブルーのタイトスカートだ。
 少し派手めに見えるが、美砂だからという意外性があっただけで、若い女性なら誰でもするような服装だった。

「何、ぼーっと突っ立ってるのよ」
「ちょっと見とれてました」
「早く座りなさいよ」

 美砂は照れ隠しをしているのか、素っ気ない。
 すぐさまメニューを開いて食べるものを選び出したので、男もそれに倣う。

 店員を呼んで注文すると、美砂は大きなため息をついた。

「どうしたんです? モソハソが期待はずれでしたか?」
「え? ああ、モソハソはすっごく楽しいわよ! 皆とも狩りに行けたし、ソロでもたくさんすることがあるの」

 一転、美砂はニコニコしてゲームの話をしだした。
 男には1/3も理解できなかったが、とにかく楽しいということは伝わってきた。

「ほら、これ」

 美砂がシェルトートバッグ---小柄な彼女が肩にかけると大きめに見えるだろう---から、幻想世界の冒険者が持っている革袋のようなポーチを出した。
 中には3D乙が入っていた。
 もうひとつ、ふわふわのファーが付いた巾着も出す。
 狩り友達が作ってくれたんだそうで、P乙Pのポーチにしていた。

「ほんとに持ち歩くんですね」
「ここに来るまでにすれちがった人、このお店の中でゲーム機を持っている人、その中にモソハソをしている人がいたら、自分のキャラの名刺とかニャイルーとかを交換できるからね」
「着信音が鳴ったりするんですか?」
「鳴らないわよ?」
「すぐにゲームを始めて、こちらから向こうへ送信とかやるんじゃ・・・」
「P乙Pも3D乙も自動なの。だから持っているだけでいいし、届いているかどうかあとで見るのが楽しみ」
「へ〜〜〜〜。それは楽しそうですね」
「それに知らない人の名刺が届くだけでも、同じ狩りをしているっていう一体感があって孤独を感じないのよ」
「美砂さんには友達も旦那さんもいるんだから孤独じゃないでしょう」

 俺は孤独だけどね。
 男は心の中で付け加えた。
 とは言え、半田の存在にはずいぶんと救われている。
 ひょっとしたら美砂もかもしれないな、と思った。


第62話に続く

2017/03/14 初版

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