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ぼくかの。 第一話
桃乃瀬ゆかり

 ボクの名前は高木弘樹。
 今年の春に5年生になったんだけど、これといって特徴の無い平凡な容姿の持ち主だと自覚してる。
 学校では運動も勉強もあまり得意ではない。
 成績表はいつも「3」。
 いわゆる「ふつうです」。
 背は高くも低くもなく列の真ん中で、髪も長からず短かからず。
 何一つ良くも悪くもないのが悩みと言えば悩みかもしれない。

 唯一の特技といえばテレビゲームくらいだけど、自己紹介で言えるようなものでもないし。
 それだって、アクションやシューティングが得意ってわけじゃない。
 リズムゲームなんて全然ダメで流行のゲームにはからっきし弱い。
 コツコツと地味に自分の分身であるキャラクターを成長させて、物語を進めていくオーソドックスなRPGが好きなんだ。
 凝り性な性格だからか、全部のアイテムを揃え全部のイベントをクリアーする事を必ず目標にしている。
 でも攻略本の無い現実世界ではなかなかゲームのように上手くはいかない。
 ましてやアイテムコンプリートなんて出来るはずもない。

 でも、そんなボクにも転機が訪れた。
 ボクが始めてしまったちょっと・・・いや、かなりエッチな大冒険の結末いったいどうなってしまうんだろう。



ボクと由衣ちゃん



 ボクの隣に座っている堀田由衣ちゃんは他のクラスメイトと比べると、とっても大人っぽい女の子だ。
 悪友の鈴原健一に言わせると、

「堀田由衣? ありゃ、クラスどころかうちの4、5、6年全体でも人気ナンバー1だぞ。オレ様調べだけど」
「そうなの、健一?」

 ズボンの尻ポケットから謎の手帳を取り出す健一。

「さすがにまだ低学年はチェックしていないけれどな」
「4、5、6年だけでかなりの人数がいるのに調べたんだ」
「ま、生徒数の半分だしな。女子だけだから」

 得意げになっている。

「そっか、堀田さん優しそうだもんね」
「それもそうだが、お子ちゃまなヒロにゃまだ良さがわからないかなぁ。ムチムチのふともも、おっきなお尻。そしてスカートの奥に隠された神秘!」

 ぐもも〜っと盛り上がっている健一の言うことがよくわからなかった。

「アノ部分を包み覆い隠しているぱんつ・・・。包み隠しているぱんつ! 人類の至宝へと繋がる最終防衛ライン! あー堀田のぱんつ超見てぇ」
「そ、そうなの?」
「見てぇ! おふうううう、嗅ぎてぇっ! 被りてぇっっっ!!」

 両手を握りしめて、思い切り盛り上がる健一の姿はかなり面白い。
 たぶん・・・いや心からの本音なんだと思った。

「健一って堀田さん本人よりぱんつに興味あるの?」
「そりゃ、ぱんつは男にとって永遠のロマンだからな。ナマ女体よりむしろぱんつ、ぱんつ」
「えー、よくわかんないよ」
「何言ってんだ、ぱんつ最高じゃないか! ヒロはぱんつに興味ないのか。おぱんつ様に」

 なんて言っている。
 オパンツサマ?
 信仰の域にまで達しているとは思わなかった。

「別にぱんつなんてうちに来ればいくらでも見れるよ、うちのお母さんのやお姉ちゃんのでよければだけど」

 掴みかからんばかりの勢いで、健一がこっちを向いた。

「えっ、マジ? ヒロの姉ちゃん美人か? 姉ちゃんのぱんつの匂いとか嗅いだ事あるのか?」

 美人かどうかは人の好みもあるだろうしなあ・・・。

「この際、んなこたどうでもいい。嗅いだか? 被ったか?」
「無いよ! 無い。どうしてぱんつの匂いなんて嗅ぐんだよ汚いだろ」

 がっくりとうなだれている。
 ここまでヘコまれると悪いことをしている気にもなってくる。

「あー情けない、大人になるとくんくんと匂いを嗅ぐんだよ。モデルのお姉さんのぱんつは絶品! まさに魅惑のアロマだと拾った雑誌に書いてあったぞ。読者プレゼントの応募券はしっかり切り取られていたさ。ちくしょう。切り取った奴は誰だ!」

 どこで拾ったんだよそんな雑誌。
 誰だ〜誰だ〜と言いながらゾンビのようにうろつく健一はもはや正気とは思えなかった。

「切り取ったのはヒロか!」
「そんなの知らないよっ。健一にもお母さんならいるだろ。そんなに興味あるならぱんつ嗅いでみればいいんじゃないの?」
「ない、ない。母ちゃんのぱんつはないわぁー。キモい。超キモい」
「だったらボクだって同じだよ。自分のお姉ちゃんのぱんつになんて興味ないよ。それに怒るとメチャクチャ怖んだから、見つかったらきっとボク殺されちゃうよ」

 それまでの盛り上がりがピタっと止まる。

「ヒロの姉ちゃん怖いの?」
「怒ったら怖いなんてもんじゃない」
「・・・そりゃ嫌だな。やっぱり堀田のぱんつの方がいいなぁ、ありゃ絶対にイイ匂いのぱんつだぞ」

 何も持ってない手を鼻に当ててスーハースーハーやっている。
 クラスの皆はいつものことだからそんなに見てないけど、恥ずかしいったらない。

「もう健一ってば・・・」
「何だよ、ヒロは堀田さんのぱんつは嫌か、嗅ぐのは嫌なのか」
「そういう問題じゃないだろ」
「そういう問題だ」

 人差し指を振りながらチッチッチッとかやってる健一。
 なんだかなあ。

「それじゃ、オレのぱんつと堀田さんのぱんつ、嗅ぐとしたらどっち!」
「えー!?」
「拒否権は無しだ!」
「えええええ!?」
「ぐへへへへ、さあ、どっちを選ぶんだ勇者ヒロよ。むちむちにしてムンムンの神秘を包む、ほわわ〜んと良いにおいがする堀田ぱんつか? それともオレ様のスーパーボールを包むしわしわをさらに包む黄ばんだぱんつか!」

 究極の選択じゃないか。
 だって掘田さんと健一の・・・。
 あ、究極でもなんでもなかった。

「・・・堀田さんのぱんつの匂いを嗅ぎたい」
「おい、ヒロ!」
「え?」

 横を見るといつの間にか由衣ちゃんが席に戻っていて、すごく恥ずかしそうな表情で下を向いていた。
 さすがに健一も恥ずかしいと思ったのかそのまま黙って自分の席に戻ってしまう。
 最低の会話を聞かれちゃったじゃないか。
 どうしてくれるんだよ、健一のバカ!

「あ、あのさ・・・堀田さん」
「な、なに・・・高木くん・・・」
「さっきの会話なんだけどさ・・・」
「あ・・・ごめんなさい。よく聞こえなかったから」
「そう・・・なんだ」
「・・・うん。大丈夫」

 どうやら最悪の部分は聞かれていなかったみたいだけれど、由衣ちゃんの事をいつも以上に意識してしまう。
 唇や頬もほんのり桜色でうっすらとお化粧もしているみたいだった。
 さらさらの髪はセミロングでシャンプーのコマーシャルに出てもいいくらいだし。
 やっぱり由衣ちゃんて美人なんだよな。
 由衣ちゃんのぱんつか・・・興味が無い。
 ・・・といったらやっぱり嘘になる。

「あの・・・。 高木くん、どうしたの?」

 いけない。
 思わずぼーっと見惚れてしまっていた。

「あ、由衣ちゃんって可愛いね」

 あわてて思ったままを口走ってしまう。
 しかも名前で呼んじゃうし。

「!」

 由衣ちゃんの頬はますます真っ赤に染まっていた。
 ヤバイ、話をごまかさなきゃ。

「・・・ゴメン。ゆ・・・いや、堀田さんってお化粧してるのかなって思って?」
「・・・お化粧?」
「うん」
「保湿液とリップクリームぐらいはつけているけど・・・」
「そうなんだ。ゆ・・・じゃない、堀田さんってすごく大人っぽいから」
「えっ・・・ありがとう。あと、・・・由衣で・・・いいよ」
「由衣ちゃん」

 小声で言うボクに由衣ちゃんはビックリした様子で怒るふうでもなく、嬉しそうにニッコリと微笑んでくれた。

「うん。私も高木くんの事、ヒロくんって呼んでいいかな」

 これがきっかけだったのかもしれない。
 この日から由衣ちゃんのボクに対する態度が急に積極的になった。
 今までは席が隣同士でも必要以上の話なんかしなかったのに、その日からボクと由衣ちゃんは良く話をするようになった。

「前から思っていたけど・・・由衣ちゃんってさ、すごく良い香りがするよね」
「香り? シャンプーの香りかな」
「えっと、ホットケーキみたいな甘い香り」
「ボディクリームの香りかも? 今日はメイプルのフレーバーなんだよ。肌の乾燥を抑えてしっとりさせてくれるの」

 メイプル?
 フレーバー?
 よく分からないけど、由衣ちゃんは鞄からボディクリームの容器を取り出して見せてくれる。
 今まで知らなかった女の子の秘密がどんどんと解き明かされる気がして嬉しかった。

「へー、女子ってそういうの使ってるんだ」
「ヒロくんってお化粧とかに興味あるの?」
「良くわからないけどちょっと気になってたんだ」
「そうなんだ」
「うん。由衣ちゃんの香りってすごく心地良いんだ」
「ヒロくん・・・私の・・・香りに・・・興味あるんだ。そっか・・・でもやっぱりちょっと恥ずかしいな」

 ちょっと恥ずかしそうにそう言う、由衣ちゃんの真意をボクはまだ理解していなかった。


・・・


 それからしばらくたった社会科の授業の時、ボクは教科書を忘れてしまった。

「ねえ、ヒロくん。よかったら私の・・・教科書見せてあげるよ」

 由衣ちゃんはそう言って机をくっつけてくれた。
 机だけでなくボクにピッタリと寄り添ってくる由衣ちゃんからは、まるでミルクのようなほのかに甘い良い匂いがした。
 なんだか、すごくドキドキとしてしまって授業に集中出来なくなってしまう。

 <えーと、ミルクだから、牛のフレーバー?>

 ページをめくるたびに、由衣ちゃんのとても綺麗なセミロングの髪の毛が、ボクの頬に触れて、よくわからないことを考えてた・・・。
 心臓が痛いほどに高鳴っていた。
 ドキドキが聞こえてしまうかもしれない。
    これはちょっと近すぎるよ。
 そう思って、ボクは抗議の視線を送った。

「ん?」

 うわ、だめだ。
 小首をかしげてボクを見る由衣ちゃんが可愛い過ぎる。
 ほとんど声にならないような小さな声しか出せなかった。

「ち、ちょっと近過ぎるかもしれない」

 するとボクに由衣ちゃんはわかったという表情で頷き返す。
 ただ、その拍子に消しゴムを机の下に落っことしてしまった。

「あっ。ゴメンなさい。・・・消しゴムひろってもらってもいいかな」
「え・・・。うん、いいよ」

 何だよ。
 自分で拾えばいいのにとは思ったけれど、教科書を見せてもらっているしいいかと思い、ボクは黙ってそっと由衣ちゃんの机の下へともぐりこんだ。
 ぴったりくっつくようにしてた由衣ちゃんから解放されて、少し冷静になれるし。

 でも、冷静になんてなれなかったんだ。

 膝の間に落ちていた消しゴムを拾おうとした瞬間だった。
 突然、由衣ちゃんは少しだけスカートをたくしあげて膝を開いたんだ。
 まるでボクに見せつけるように。

 消しゴムを落としたのだってわざとだったのかもしれない。
 まぶしいくらいに白い、むっちりとしたふとももの奥に、桜色のぱんつが・・・見えた。
 サテン地のツルツルとした光沢のある、まるで大人の女の人が履くような薄手のぴっちりとしたぱんつ。
 干してあるお母さんのぱんつを見た時には何も感じなかったのに、由衣ちゃんのそのぱんつを見た時には今まで感じた事のない不思議な感覚にとらわれたんだ。
 ダメだ、見ちゃいけない。
 そう思ってもなぜが視線が離せなかった。

 それどころかボクは由衣ちゃんの膝ぎりぎりの場所まで近付いて、ふともものいちばん奥の暗がりになっている部分を覗き込む。
 由衣ちゃんはボクが見やすいようにしてくれたのか、さらに膝を開いた。
 やっぱりあの時の会話は由衣ちゃんに聞かれていたんだ。
 聞いたうえでボクにぱんつを見せてくれているんだ。
 って事は、ぱんつの香りも・・・。
 心臓の鼓動がドキドキがさらに速くなる。

 こ、これがおぱんつ様の魔力なんだ。
 健一が夢中になるのも分かる。

 じっと見つめていると由衣ちゃんのふとももが小さくピクンピクンと震えた。
 由衣ちゃんもさすがに恥ずかしいんだと思う。
 でも、目が離せないよ。
 よく見ると、ぱんつのいちばん奥の股布に少しだけ色の濃い部分があるのが見えた。
 なんだろう?
 その部分からは、ミルクのようなボディクリームの香りに混じってメイプルシロップのようなすごく甘い、それでいてクラクラとしてしまう、胸が締め付けられるような切ない香りがした。
 これが、由衣ちゃんのぱんつの香り・・・。
 ううん。
 由衣ちゃんのあそこの香り。
 なんだろう、この感じ。
 決していい香りだけじゃないのに、思わず引き寄せられる本能に訴えかけてくるような魅惑的な香り。
 おちんちんが激痛を伴うほどカチカチに固くなっている。
 もう、止まらない・・・もっと近くで。

 ボクの唇が由衣ちゃんのぱんつの色が濃くなっている部分に触れてしまうほど近づいていく。
 甘い香りがどんどん強くなって、ボクのおちんちんもまるで自分の物でないほどドクドクと脈を打っている。
 鼻先にぷにゅっとした感覚を感じる。
 由衣ちゃんの香りにもっとずっと包まれてしまいたい・・・。
 頬は太ももに触れてたし、スカートの裏地が額に触れるのも何とも言えず気持ちよかった。
 ふらふらになったボクはぎゅっと鼻先を由衣ちゃんのあそこの部分に押し付けてしまった。

「ひゃっ!」

 ちょっと泣きそうで苦しそうな由衣ちゃんの声にボクはハッとした。
 今は授業中じゃないか。

「・・・ねえ、ヒロくん。消しゴムあった?」

 ゆっくりと消しゴムを拾って、ボクは平静を装い由衣ちゃんに手渡した。

「これ、だよね」
「ゴメンね。その・・・嫌じゃ・・・なかった?」
「すごく良い香りだよね」
「え・・・」

 顔が上気している由衣ちゃんがいつもよりもっと大人っぽい顔をしている気がした。

「・・・その消しゴム、すごく良い香りだよ」
「あ、うん・・・もぅ」

 そう言って恥ずかしそうに微笑む由衣ちゃん。
 見つめ合うボクの頬も由衣ちゃんの頬も、ぱんつよりも桜色に染まっていたと思う。
 この日から、ボクは由衣ちゃんの香りとぱんつに夢中になった。


第二話に続く

2010/06/06 初版
2010/06/08 『Aliceの図書館〔新館〕』にて掲載

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