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ぼくかの。 第七話(中編)
桃乃瀬ゆかり

 狭い女子トイレの個室の中で、ボクは蓋を閉めた便座の上に腰掛け。野都さんはそんなボクと向かい合うようにして立っていた。
 どきどきという鼓動が聞こえてしまうほど密着してしている。
 ボクに脱ぐように促された野都さんは、決心したように頷きスカートのホックを外す。
 スルリとスカート脱ぐと、一瞬、迷ってからドアのノブの部分に引っかけた。
 えっ、黒!
 目の前にシンプルながらも大人っぽいセクシーな黒いパンティ(さすがにスケスケではなかったが)が現れ、思わずカウンターパンチをくらったような衝撃を憶えた。

「ちょ、こ、これ」
「あ、あの・・・この、ぱんつですか。私、子供っぽいのしか持ってなくて・・・思い切って買ってみたんですけど。やっぱり変ですよね」
「ど、ど、どこで買うの、こういう下着?」

 動揺が隠しきれない。

「駅前のイ○ーヨー○ドーの中に入ってるトリ○プってお店です。店員さんにもクスクス笑われたし、もう恥ずかしくて。失敗ですよね、これ」

 確かに大人物な感じがする、“健一と一緒に神社の裏で見つけたエッチな写真週刊誌に出てくるような”パンティ(おぱんつとパンティとスキャンティの違いについて健一が熱く語っていた気がするけど憶えてはいない)と、おとなしくて目立たない野都委員長のアンバランスさが衝撃的だった。
 初めて見た、由衣ちゃんのサテン地のぱんつ以来の衝撃かもしれない。
 委員長は黒のスケスケ、さすがはプロの変態だけあって、健一の想像は良い線をいっていたわけだ。

「そんな事・・・ないよ。確かにちょっとびっくりしたけど、これがシルク地ってやつ」
「違いますよ、ポリエステル100パーセントです。シルクなんて高いの買えないですから」
「へー、なるほどねー。ポリエステルでも、つやつやとした光沢があって綺麗なんだね」
「はい。でも、とっても恥ずかしいです」
「ちょっとびっくりしたけど、大人っぽくて。こういうのセクシーな下着って言うのかな」
「・・・高木くん、ぱんつに詳しいって噂があったけど、本当だったんですね」
「はい?」

 誰だよそんな嫌な噂を流したのは。

「だって、あの鈴原くんの友達だし。ぱんつでほかほかごはんが食べられるんでしょ」
「えええぇぇぇ! 無理です」

 前に健一とそんな会話をしたけれど、ぱんつはごはんのおかずにはなりません。
 別のおかずになら・・・って、何を考えてるんだよボクは。

「あと、姫宮さんが『ヒロの奴は、どうしょもないぱんつマニアのド変態だって』この前なんか、どうしてもぱんつを見たいって頼まれて顔の上に跨ってあげたって言ってましたよ」
「ぎゃぁぁーす!」
「あと、消しゴムを拾うふりをしながら、堀田さんのスカートの中に潜り込んでぱんつ見てる時、ありますよね。私の席、堀田さんの斜め横なので・・・あ、これは誰にも話してませんから」
「あはは、あははは、あははははっ」

 あの健一の発作はクラス全員が目の当たりにしているわけだし、別に友達じゃないけど何かと会話をしているのは事実。
 ぱんつのぱんつによるぱんつのためのぱんつ宣言とか、ぱんつ帝国の宰相とか、クラス中に聞かれているわけだし・・・。
 他の人から見れば健一の立派な仲間に見えるよね。
 ていうか、理恵の奴は何を人に話してるんじゃ! だいたい見てって頼んだのはお前だろ。
 二人だけの秘密じゃないのかよ、誰に話をしてるんだよ、勘弁してくれ。
 そして、由衣ちゃんとの秘密の遊びのつもりが、全然、秘密になってないじゃないじゃん。
 理恵ちゃんと野都さんにバレてるって事は他の人にもバレてる可能性が高い。
 確かに由衣ちゃんのスカートの中に集中しすぎたボクが無防備だったのかもしれないけど。
 終わった、ボクの人生は終わりだ。
 卒業アルバムの企画の、何でも一番とかで「スケベ一番、高木弘樹くん」とか書かれてしまうんだろうな。
 ああ、卒業までの二年間・・・いや、公立中学校に進めば五年間はついてまわるあだ名が「エロヒロか、ぱんつ宰相」になってしまう。
 登校拒否しようかな。

「・・・だから、こういうセクシーな下着をつけていたら、高木くんに喜んでもらえるかなって思ったんです」

 野都さん、それ、ちょっとズレてますよ・・・とは言わなかった。
 黒いパンティには彼女なりの精一杯さが出ていたし。
 ボクのために、恥ずかしい思いをしてまで買ってきてくれたのだし。
 何より、ド変態だと思われてるなら今さらどう繕っても無駄なわけだし。
 ならば、いっそノッてしまおうか。
 演技、これはロールプレイでありイベントだ。
 野都さんにオナニーを覚えてもらい、すっきりしてもらえればボクの勝ち。
 その上で由衣ちゃんとの悪戯、理恵のでまかせ、朋子さんとのエッチな保健実習も黙っていてもらう約束を取り付けなければならない。
 ならばもう恥ずかしがっている場合じゃない。
 そもそも、こういう下着を付けると男が喜ぶって発想自体が野都さんにエロい知識がある証拠だ。
 ならば、思い切って強気に出てみる。

「野都さんって、おとなしそうだけど凄くエッチなんだね。本当はボクなんかに聞かなくたって、本当はもうオナニーくらい知ってるんじゃない?」

 野都さんの顔が、一気に真っ赤に染まる。

「あ、あの、そ、その」
「野都さん。せっかくの可愛いぱんつ、もっと近くで良く見てみたいな」
「あ、あの。高木くん、急にどうしたんですか・・・」
「急にって。だって、先にエッチなことをして下さいって頼んできたのは野都委員長の方じゃない」

 野都さんの震えはいつの間にか止まっていた。
 心なしか、目つきもとろ〜んと潤んでくる。

「そうでしたね。私からお願いをしたんですよね・・・ゴメンなさい」
「謝らなくていいですよ。ボクを喜ばせるために買ったぱんつなんでしょ、早く近くで見せてくださいよ」

 智秋お姉ちゃんの部屋にあったマンガにこんな台詞があったので、わざと敬語で話してみる。
 あれは確か『ペソギソクラブ』とかいうマンガ雑誌に載っていた女生徒会長を虐めるちっちゃな生徒会書記というストーリーだった。

「は、はいっ、すいません。今お見せしますね」

 ただでさえ狭いトイレの中だ。
 座っているボクの目線と立っている野都さんのぱんつの位置をより近づけるためには大胆に密着する必要がある。
 由衣ちゃんとしたときのようにボクが下になるか、理恵ちゃんとしたときのようにボクの上に乗ってもらうか。

「・・・」
「・・・あ、あの、どうすればいいでしょうか」
「そうですねえ。最終的には野都さんがオナニーをしやすい姿勢がいいと思うんですけど。ズバリ聞いちゃいますけど野都さんはボクとどんな事がしたいんですか?」
「・・・・・・・・・。朋子先生と同じみたいに・・・・・・・・・」
「それって、クンニリングスをして欲しいって事ですよね?」

 これも智秋お姉ちゃんに教わった知識。
 女の子のあそこの部分を舐める、エッチな行為だ。
 やりすぎたか。
 野都さんは少し涙目になってきてしまった。
 ボクが謝って路線変更しようと考えた時、野都さんのぱんつが、まるでおもらしをしてしまったかのように濡れて変色をしているのに気が付いた。
 これって、野都さんも興奮しているんだ。

「はい。舐めて・・・欲しいです。私の、ここを」

 ボクのおちんちんもドクンと脈を打つ。
 実はさっきからボクのおちんちんだって、もうぱんぱんに膨らんでいるんだ。
 覚えたてのオナニーがしたくてたまらない。

「いいよ、してあげる」
「ありがとうございます。・・・あ、あの」
「なに?」
「あの。でも、下着すごく汚れちゃったので、見ない方が・・・」
「なんで? せっかく買った下着なのに」
「すいません。高木くんに私の下着姿を見られているんだと思うと、さっきからヌルヌルが止まらなくなっちゃって」
「なんだ。そのヌルヌルは愛液って言うそうですよ。エッチな事をする時に、女の人の、あ、あそ・・・おまんこはとってもデリケートで傷つきやすいので、保護をするために濡れるんだそうです。別に汚いものじゃないそうですよ」

 今度は朋子さんに教えてもらった知識だ。

「そうなんですか」
「だから安心して下さい」
「はい」
「さっきも言いましたが、ボクが野都さんを楽にしてあげます。でも、野都さんのこんなエッチな姿を見ているとボクだって苦しくなっちゃうんです。ですから一緒に気持ちよくなりましょう」

 コクリと野都さんは頷き、吹っ切れたように笑った。

「・・・高木くんに頼んでよかった」


第七話(中編2)に続く

2010/09/20 初版
2011/01/04 『Aliceの図書館〔新館〕』にて掲載

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