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二人の時間 〜Refrain〜 第四話
桃乃瀬ゆかり

 ぼく、石川晶良と、クラスメイトのクールで無口な保科蒼一郎には他の誰も知らない、二人だけの秘密がある。
 蒼は、二人きりの時にはクラスのどの女の子よりもとびっきりに可愛い男の娘(女装少年)で、ぼくの恋人。
 つまり、ぼく達は男の子同士で恋人同士なのだ。
 そんな、二人だけの関係がもしも誰かにバレてしまったら・・・。
 まあ、今は考えないでおこう。

「んふふ〜♪ ねえねえ、アキ」
「・・・」

 ベッドの上でごろごろしながら携帯ゲーム機で遊んでいると、化粧も完了して、すっかり男の娘に変身した蒼がにじり寄りって来た。

「アキってば〜♪」
「蒼くん・・・。今、ちょっと狩りの方が大変な事になっているのですが」
「まったく。こっちも向かないでP乙Pを続けているアキってば、めちゃめちゃ意地悪だよ〜。モソスターハソターもいいけど、今日はせっかく二人きりなんだよ」

 ぼく的学校の可愛い子ランキングの1位と2位を聞き損ねた蒼は、さっきから拗ねてしまう事が多い。

「アキの1番可愛いって思う娘を参考にしようと思ったのにー」

 口をとんがらかして拗ねる蒼は、クラスの女の子よりも女の子っぽい気すらしてすごく可愛いんだけど・・・。
 だけど部屋に来るなり、いきなり飛び掛かられ、シャワーも浴びてないのにパックンされちゃってお口に1度、一緒にお風呂に入りながら、お互いのおちんちんの擦りっこで1度。
 すでに2回もどぴゅどぴゅさせているわけですよ。
 いくら健康な小5男子でも、もう少しインターバルが欲しいのです。
 それに、さっきまでぼくをほって置いて1時間近くも鏡に向かっていたのは蒼くんではないですか。

「うっ、確かにそれは悪かったけど。お化粧してたのはアキの前で可愛くいたいって思ってるからなんだよ?」

 そう言って下を向いちゃう蒼は確かに可愛い。
 ウイッグをつけて、さらさらロングヘアーに変身した蒼はどっからどうみても女の子だ。

「だけどお化粧なんてしなくても、蒼くんはカワイイデスヨー」
「えー。じゃあアキは男の子の格好のままのぼくともえっちな事したいの?」

 そういわれると、やっぱり困る。
 正直に言えば、ぼくは男の子に興味があったわけじゃないのだ。
 蒼と出会って最初の半年は、仲はよかったけれど、やっぱり男の子同士で親友として仲良しだったわけだし。
 一緒に遊んでいても、変な気持ちにはならなかった。
 あの運命の日、女装をしていた蒼と出会ってえっちな事をしてしまったけれど、男の子の格好のままで蒼に迫られていたら・・・。

「やっぱり、ちょっと悩む」
「でしょ? あーあ、どうしてぼくは女の子に生まれなかったんだろう。そうしたら、アキの彼女になってあげられたのに」

 蒼がしなだれかかってきて、両腕をぼくの腕に絡ませてくる。
 「女の子だったらアキもなんにも悩まなくていいもんねー」と言いながら、顔をのぞき込んでくる仕草は大半の同年代の女子よりも魅力的だ。

「彼女じゃないかもしれないけど、蒼はぼくの恋人だよ」
「!」

 じゃなきゃ、あんなえっちな事はできないし、させられない。
 いやいや、それだけじゃなくて蒼の事が好きだという気持ちに嘘は無い。

「でも、えっちな時はやっぱり女の子の格好の方がいいかも」
「わかってるよー。ぼく、アキが望むなら女の子になるっ!」

 ・・・なんだか、とんでもない決意をさせてしまった気がする。

「じゃあ一緒にゲームする?」
「でも、ぼくモソスターハソター苦手だし・・・」
「すごく上手いじゃない」
「何も悪いことしてないモソスターを狩るなんて可哀想だよぅ」
「・・・」

 化粧までして完全な「男の娘」になった蒼は気持ちや考え方まで可愛い女の子になってしまう気がする。
 そうやって内面まで変わらないと、こんなに可愛くならないのかも。

「別にいいよ。ぼくも正直、行き詰まってたし。蒼の得意なゲームでいいよ」
「それじゃニソテソドーD乙の『ぽよぽよ 最新版』で通信対戦したい」

 ぽよぽよなるゲル状の生物を大量虐殺するパズルゲームですか・・・。
 高得点のぽにょなるレアぽよをいかに崖の上から落とすかという基本テクニックだけでは蒼には敵いません。
 いいでしょう。
 ギャフンと言わせてあげましょう。

「いいよ」
「10本先取の勝負で、負けた方は罰ゲームね」
「げ! 何するの?」
「ぼくが勝ったら、ご褒美にアキのおちんちんをお口でぬきぬきさせてもらいまーす」

 ・・・あ〜、結局そこに行き着くわけですか。
 いいですよ。
 「頭を押さえつけられてムリヤリ咥えさせられちゃったりして〜」とか一人で盛り上がってますが・・・。
 待てよ?

「じゃ、ぼくが勝ったら何すればいい?」
「ん〜。お仕置きでぼくの事を好きにしていいよ〜。アキが望んじゃうなら、ぼくの「初めて」だってあ・げ・る♪」

 おい!

「待て待て待て、それおかしいって! 蒼が勝っても負けても結局はぼくが気持ちよくなっちゃうでしょ」
「気持ちよくなってもらいたいんだもん」

 で、出た。
 蒼の上目遣い攻撃。
 これには勝てない。

「いや、でもなぁ・・・」
「んふふ♪ 別に『ぽよぽよ』勝負しなくてもいいんだよ〜。こうしてアキと一緒にいるのが楽しいんだから」
「それはいいけど、蒼の初めてって何だ。なんかすごくキケンな発言って気がするぞ」

 また蒼は顔をニヤけさせながら、ぼくの事をベッドに押し倒す。
 相変わらず、力が強いです。
 ふつーに逆らえません。
 見つめられながら、さらさらの髪で頬をくすぐられると精神的にも逆らえません・・・。

「キャー♪ もうアキのえっち! 初めてって言ったら決まってるっしょー。んふふ〜♪ それにぼく男の娘だからニンシンのキケンはないよ? この前、保健の授業で習ったよねーっ」

 あぁぁぁ、とうとう最後の一線を越えちゃう気なのですね。
 あれからずいぶん蒼とはえっちな事をしてきたけど、お互いのアレを擦りっこしたり、お口でフィニッシュまでだったから、いつかはそういうところまでいっちゃうとは考えていたけど。

「・・・本気なの、蒼?」
「もちろんだよ。そりゃぼくだって、まさか男の子とそんな風になるって思ってはいなかったけど、アキと初めてえっちした時に、こんなぼくをキライにならないでくれた事を感謝してるんだよ」
「・・・そりゃあまあ、蒼の事を好きって気持ちにウソはないよ」
「えへへ、ありがとう。うん、ダイジョウブ。アキのだったら、ぼく、ちゃんと受け入れてみせるよ!」

 すごくキラキラした瞳で見つめられてしまいました。
 受け入れるって、やっぱりお尻の穴にってことだよね。
 でも、蒼の決意を無にも出来ません。

「あ・・・うん」
「心配しないで。インターネット通販でコンドームとローションも買っておいたからっ♪」

 ニコっとする。
 爽やかな笑顔だなぁ。
 蒼くんてばヤられる気マンマンですね。
 『ぽよぽよ』勝負に勝とうが負けようが、今日はたいへんな事になりそうです。

「便利だよねー、ネット通販」
「んふふ〜♪ さすがに両親に見つかるとマズいもんね。アキも欲しいものがあれば、ぼくが買っとくよ」

 そういえば、女装セットもネット通販で買ったんだよね。

「とりあえずは何もないよ」
「アキの欲しいものがぼくの初めてだったら嬉しいんだけどなー」
「ち、ちょっと・・・」

 また密着してくる蒼。

「そ・れ・にアキの初めてもぼくが奪っちゃうことになるんだよねー♪」

 まずい・・・これ以上、迫られたらまたヘンな気に。
 無理です。
 いや、蒼のことじゃなくて、この短いインターバルで3度は命の危機を感じます。

「そろそろぽよっとく?」
「うん!」

 二人してベッドに並んでゲームしてる姿は、端から見れば完全に恋人同士に見えるんだろうなぁなんて、最初は思っていたものの、いざ、ゲームを始めてしまえば、お互いに集中してしまう。

「うおっ、蒼強えぇー」
「んふふ〜♪ ぽよマスターは伊達じゃないっ!」
「ならば、ガチムチ高速2連鎖」
「アーッ!」
「続いてナイアガラキャスケード!」
「ああっ!」
「とどめだっ。崖の上からぽにょ落としーっ!!」
「アキやったなー!」

 10本先取どころか、気がつけば50回以上、対戦してしまいました。

「なぁ、蒼」
「何、アキ? 勝負は諦めたら、それがゲームセットだよ」
「そろそろ時間ヤバくないか? おばさん、帰ってきた時に男の娘のままだとマズいんじゃないの?」
「あーっ!! しまった・・・。ぽよぽよに夢中になり過ぎて、ぼくの初めてを捧げる時間がないー」

 そっちの心配ですか。
 今日の蒼はテンション高過ぎです。

「とりあえず、服は着替えちゃわないと」
「そうだよね。ううう、これが噂のぽよ地獄というものかっ」

 いや、ぜんぜん違うと思います。

「ゴメンネ、せっかくアキが勝ってたのに」
「いや、仕方ないよ。ぼくも時間の事はつい忘れちゃったから」
「ちょっとバスルーム行ってくるね。メイク落とし、けっこう時間かかるんだ」
「なぁ、蒼」
「ん?」
「そういうのってさ、焦ってするものじゃないと思うんだ。ぼくは蒼と友達になれて良かったと思ってるし、ずっと一緒にいたいって思ってる」

 ちょっと迷った時期もあったけど、今は本気でそう思ってる。
 部屋の戸口で蒼は少し驚いたような顔をしてぼくを凝視していた。

「う、うん・・・」
「もし、蒼に何か不安があったり、焦ったりする気持ちがあるなら、それはぼくのせいかもしれないけど・・・きっとまた、そういうタイミングもあると思うからさ」
「・・・うん」

 蒼は首を横に振ったり、縦に振ってうなずいたりしながら黙って聞いてくれていた。

「蒼が思ってるより、ずっとぼくは蒼の事が好きだから」
「!」
「それだけは信じてほしい」
「どうしたの急に?」
「今日さ、バカみたいに何も考えずに一緒にゲームしてた時よく分かったんだ。蒼と一緒にいると楽しいなあって。えっちな事してくれるから、気持ちよくしてくれるから蒼が好きなんじゃないって。・・・あ、えっちな事してくれる蒼も好きだけど」
「アキ・・・」

 この前、おちんちんをおしゃぶりしてもらった時に、涙を浮かべていた蒼を見てからずっと考えていたことだった。
 ぼくの中にあった蒼に対する後ろめたい気持ち、性欲の吐け口にしてしまっている罪悪感。
 本当に蒼がぼくの事を好きならば、伝えて、一緒に解決していくべきだと思ったから。

「ごめんね、呼び止めちゃって」
「ううん。ちょっとビックリしたけど・・・これってアキからぼくへの告白ってこと?」
「そうだよ。蒼はあの時、ぼくにキライにならないでって言ってたけど、そんな心配はしないでほしいと思って」
「・・・ありがとう、アキ」

 本当に嬉しそうな顔をしている蒼を見て、言って良かったって思った。

「ほら、おばさんが戻ってきたらマズいから、早く着替えて来ないと」
「うん!」

 ちょうどその時、リビングにあった電話が鳴った。
 慌てて蒼は受話器を取る。

「もしもし・・・あ、母さん?」

 ええ!?
 もうすぐそこまで帰って来てるとか・・・。

「うん、大丈夫だよ。え、今? 石川くんが来てるけど・・・あーそうなの。うん。石川くんに聞いてみる。うん、うん・・・」

 受話器を置いた蒼の目はキラキラと輝いていた。

「・・・どうしたの? おばさんからだよね」
「今日ね、父さんの仕事の都合で帰れないんだって」
「・・・そうなんだ」
「うん。だから、一人だと物騒だから、もし良かったらアキに泊まっていってもらえば、だって。アキのウチのお母さんがいいって言えばだけど」
「・・・ちょっと電話借りるね」

 明日は学校が休みだという事もあって、あっさりと許可が降りました。
 まあ、息子が男友達の家に泊まる事に、変な心配をする親はいないでしょう。
 良いチャンスだから、蒼くんに勉強を教えてもらいなさいと言われたくらいです。
 きっと色々と教えていただくことになると思います。

「ねぇ、アキ。これって2人は結ばれる運命だったって事かなあ」
「・・・一度、家に戻って着替えを取ってくるよ」
「んふふ〜♪ いいよ、ぼくの服を貸してあげるよ」

 サイズはほとんど変わらないから借りておこうかな。

「きっとアキ似合うよ♪」
「もしかして女装?」
「すっごく可愛い服があるんだよー。そうだ! お化粧にも挑戦してみる? 楽しみだなぁ〜♪」

 やっぱり少し早まったかもしれない。

「あ、夕飯どうしよう。何か頼む? アキが食べたいものがあれば作るけど」
「蒼って料理できるの?」
「こういう感じで、夜に一人の時が多いからね。けっこう自信あるよ」
「だったらオムライスが食べたい」
「作れるよ♪」

 恋人というよりも新妻状態になった蒼。
 二人の時間はまだまだ続きそうです。


第五話に続く

2011/05/12 初版

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