2010-2016 (C) e+- - All Rights Reserved.2010-2016 (C) e+- - All Rights Reserved.

Menu / Menu (Frame On)

「える・ふぇち」 (2)
桃乃瀬ゆかり

「ふふっ。結乃のくちびる…メイプルシロップの味がするんだね…」
「んんっ! あふっ… だって、部活でホットケーキ…作ったからっ」
「ねえ、結乃。ひとつ聞いていいかな」
「何?」
「どうして私にキスをしたの?」

 女の子同士でもキスをする事がある。
 レズ、百合、同性愛。
 もちろん知識としては知っていた。
 どちらかというと、スレンダーでボーイッシュな容姿をしている私は、これまでも同性からアプローチを受けた事はあった。
 でも、それは笑って済ませられる範囲での事だ。
 女の子同士でする軽い冗談みたいなものだった。

「菜緒の事が…好きだったの」
「えっ」
「ずっと前から。いつも菜緒の事を見ていたの…」
「そうだったんだ。気付かなかった…」
「あの時、教室で菜緒が寝ているのを見たら、私は自分の気持ちが抑えられなくなったの…」
「結乃は、女の子の事が好きなの?」
「…ええ」
「結乃は女の子なのに」
「…小学校の時に、初めて好きになった相手が…女の子だったの。…菜緒、あなたよ」
「…」
「想いを伝えようと思ったわ」
「…でも、私は転校した」
「会えなくなって、私の中の菜緒への想いはどんどん大きくなったわ」
「うん」
「女の子同士、それはいけない事だとは思った。だけど、菜緒への想いは捨てることか出来なかったの」

 結乃は真剣な表情だった。

「…」
「だから、こうして中学で再び菜緒に出会えてどんなに嬉しかったか…」
「うん、私も結乃の事はよく覚えてたよ」
「クラスメイトになれた時は凄く嬉しかった。でも、それからはすごく苦しかったわ。この想いを告げてしまったら嫌われてしまうかもしれない」
「そんな風に思ってたんだ」
「でも、キスをしてしまったわ…あなたが、好きだから」
「後悔してる?」
「今はしていないわ。恥ずかしい姿をみられたけど、こうして話すきっかけになったのだから…。伝えずにあきらめるなら、伝えて断られる方が…」
「さっきのお返しのキスは、私からの返事のつもりだったんだけど」
「えっ!」
「男の子だとか、女の子だとか関係無く、私は結乃の事好きだよ」
「…ありがとう。菜緒」
「ていうかね。結乃の匂い、私をすごくムラムラさせるんだ」
「えっ?」
「さっきもね。教室で、お漏らししちゃった結乃を抱き締めた時に、めちゃめちゃにコーフンしたんだよ。結乃のおしっこだったら、飲んでみたいって思ったんだよ」
「あ…あの、菜緒。それはちょっと嫌なんだけど」

 せっかくの綺麗な告白シーン全部が、ぶち壊しになるけど言わずにはいられなかった。
 私はそのまま、ベッドに結乃を押し倒した。

「大丈夫! 私、結乃が嫌がる事は無理矢理はしないから」
「無理矢理って、そんなの頼まれても嫌だよ」
「大丈夫。まずは改めて普通のキスから教えて…」
「うん! それなら…んっ」

 くちゅくちゅという水音とくぐもった呼吸の音だけが二人を包む。
 私の口の中に、結乃の舌が入り込み、絡みついてくる。
 結乃の両腕が私の腰をギュッと抱き締めた。
 普通のキスだって言ったのに、いきなり激しすぎる。
 そう抗議をしようにも、口は塞がれたままで息も出来ない。

「ゆ、結乃。苦しいよ」


(3)に続く

2013/01/08 初版

前話へ ≪─≫ 次話へ
書庫に戻る
▲Page Top▲

Profile / Library / Library2 / Gallery / Comic / Column / Occult Post / Kaku-duke / Warehouse / Blog / Link

2010-2016 (C) e+- - All Rights Reserved.2010-2016 (C) e+- - All Rights Reserved.

inserted by FC2 system