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僕の彼女は戦国マニア (13)
P・鴨川 feat.ライターC

「くっくっく、どうですかな?」

 良かった。
 キレなかった…。
 冷静さを取り戻したように見える山田さんは地下室にあったのと同じ小瓶をポケットから出し、青灰色の粉を強盗犯の死体に振りかけています。
 なんだろ、アレ?

「ううう…うううぐう」

 むくりと起き上がる死体兄貴。

「な、なんだってー!?」

 なんという事でしょう。
 匠が粉を振りかけると、いろいろと飛び散らせて死んでいた銀行強盗その1が起き上がったではありませんか。
 劇的です!
 思わずキ○ヤシに世界の謎を解き明かされた3人組みたいな事を口走ってしまいました。

「残念ですな、塚原先生。この研究は金にもなる。死者を蘇らせたい者はいくらでもいるものです。そちらの鴨川さんもそう思うでしょう?」

 あろう事か僕に水を向けてきました。
 山田さんはもちろん分かりますよね、というような表情を浮かべています。

「アルバイトをクビにされたんでしょう? 私の話が分かるはずだ、鴨川さん。傀儡兵の例えもある。
 死なない、いや、殺されても減らない兵力がどれだけの需要があるか。各国の軍隊がどれだけの値をつけるか分かるでしょう」

 隣を見るとむぎむぎが黙ってこちらを見ています。
 実際に目の前で死んだ人が生き返っているのです。
 彼女にも、山田さんの話は分かっているはずです。
 でも…。

「どうです、鴨川さん。塚原先生を説得して、3人でこの偉大な力を…」
「僕はっ!」
「…」
「ぼ、僕は…死は尊いものだと、お、思います」
「な…んだと?」
「やり直しが利かないから過ちも犯します。生き返れないからこそ無様にビビることもあります。だからこそ真剣に生きているし、死にたくない。
 だからこそ生きている者が彼女ら、彼らの分まで生を全うしなければいけない。生きたくても生きられなかった、その分を。一生懸命に生きるのは死があるからですよ。
 死んでしまったらそれ以上は生きられないんだから。当たり前だけど…」

 山田さんの顔が険しくなりました。
 おそるおそる隣りをチラ見すると、むぎむぎは口元に笑みを浮かべていました。


(14)に続く

2014/01/14 初版

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