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『学校から帰ってきたら隣の部屋の前にメグッポイドがおりました』 (3)
パラダイス鴨川

「あはっ♪ いい香りですね〜」
「ええ、大盛チャーハンがおすすめなんです」

 財布も絶賛宅配中のめぐぽさん。
 ご飯も朝食を食べたきりだったようです。
 なので夕飯をご馳走する事になりました。
 こんな時には、当然この店です。
 醤油で煮染めたようなのれんをくぐるといつものカウンター席へ。

「よっ、まいど!!」

 ケンドーコバヤシ似の胡散臭いオッサンがやっているラーメン屋ですが、味は絶品なのです。
 マーニャさんを連れてきた事などございません!

 いつものオッサンなら、続けて「何にしましょ」と来るはずなのに、いつまでたっても注文を訊ねてきません。
 それどころか、目が点になっています。

「おっ、おい伸夫ちゃん…」

 伸夫っていうのは僕の名前です。
 元“天空の勇者のぶちん”にして不世出の天才ニコマス・プロデューサー、ノブチンPこと鴨川伸夫です。
 体重は109キロの為、あだ名はデブちんです。

 2浪1留の末、この春からかろうじて大学生三年生に進学できた24歳。
 めぐぽさんも成人っぽいので、この先にどんな展開があろうと妙な規制には引っかからないのです♪
 ちなみにオイラは神聖なる童貞です。
 さらにちなむと、高校時代にも留年の経験があります。
 毎朝ゆっくり目覚めて、2時間目から登校していたら出席日数が足りなくなりました。

「誰だい、この外国人女性は。借金のカタに、偽装結婚でもさせられたのか?」

 どこかで聞いたことがあるセリフです。
 たしかに僕は彼女いない歴年齢と同じ非イケメンですが、犯罪は立ちションすらした事が無い善良な市民です。
 我慢できずに漏らしたのは罪にはならないはずです。
 たとえそれが、大きな方だとしてもです。

「こんにちは、中村です♪ 最近、伸夫さんと同じアパートに越してきました〜♪」
「えっ? 日本人?」
「はい、カラコン入れてるんですよー。髪は染めてます」
「だ、そうです」
「へぇ。これあれだろ、メイドさん。メイドカフェとかに勤めてんだろ。アキバの。いいなぁメイドさん」

 ヒラヒラの服を着ていれば何でもメイドさんかよ!
 と心の中でもツッコミつつ苦笑いです。
 めくぽさんも苦笑いです。

 そんな事より、早く料理を作りやがれです。
 頼んだのはチャーハンを二人前です。

「はいよっ、伸夫ちゃんのは大盛りね。レディーガガちゃんにはサービスでワカメスープ付けちゃうよ」

 レディーガガではありません、メグッポイドです。
 確かに来日した時のレディーガガの髪は緑色でしたが、めぐぽさんは瞼に目玉とか描いちゃう人ではないのです。
 て言うかワカメスープを僕にも付けろと、切に希望です。
 せっかくなので、揚げ春巻と生ビールも追加注文しました。

「うわぁ、ビールって凄く美味しいんですね〜♪」

 キンキンに冷えた生ビールは、めぐぽさんの心に光の矢を放ったようです。
 マーニャさんに負けない飲みっぷりです。

「あれ? ビール初めて?」
「ビールどころか、お酒が初めてですよー」
「えー、そうなんだ」
「だって、ボクまだじゅうは…」
「あー! あー! あー!」

 何だが法的に問題ある発言があったので、聞かなかった事にしました。
 ケンコバ店長も目を逸らしています。(←とめろよ)

 お酒は二十歳になってから!
 魔法は三十歳になってから!
 オイラとの約束だぜ、キラッ☆

 まあ、めぐぽさんが超ご機嫌なのでここはよしとしましょう。
 ほんのりとホッペが赤くなっためぐぽさん、すごく可愛いです。
 ぺろっとチャーハンを平らげちゃうあたり、痩せの大食いなのでしょう。
 なんだかんだ言って、ビールを3本ほど開けてしまいましたよ。
 ひとり1本です。
 オッサンも飲んだからです。
 17の時に鷹にさらわれたという生き別れの兄の話を聞かされましたが、思い切りスルーしました。


(4)に続く

2012/05/15 初版

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