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モンスターハンター3RD・SS 〜笑顔の靴下〜 (2)
大和武尊

 男は渓流で昼寝をしていた。
 下は霞がかかるような崖。
 頭上はフリークライムでは登れないような絶壁で、これまた崖。

 遠くポッケと呼ばれる村から、砂漠を横断して、やっと火山地帯の村近くまで辿り着いた。
 噂じゃ湯治客も訪れるという、そこそこ有名な温泉地らしい。
 砂漠を渡る砂上船の停泊所から、村まではアイルーがネコシャトルを出しているという。
 ちょっとした観光地なのかもしれない。

 そのユクモ村は観光客が減り、ハンターが溢れているという。
 大型モンスターが奥地に居着くと、種々雑多な中型以下のモンスターが人里まで降りてくる。
 狩りをして間引きする必要がある。
 よくある話だった。

 もっとも、通常、大型モンスターと言われる飛竜クラスが頻繁に目撃されるとなると、奥地に住み着いたのは伝説クラスの怪物という事も考えられる。
 ハンターギルドは次々に手の空いているハンターをユクモ村に送り込んでいた。

 男はかつて火の国と呼ばれた、砂漠にある王国の遊撃隊にいた。
 騎士に憧れたが、“お飾り”と化していた騎士団よりも、民と直接関わる王立軍を選んで入隊したのだ。

 除隊してからはハンターギルドの仕事を引き受けながら、各地の放浪を続け、狩人というよりは賞金稼ぎに近い生活を送っている。
 居着くという事をしなかったのは、世界中を旅してみたいという子供の頃からの夢を引きずっていたからもしれない。

 ポッケ村には比較的、長く滞在していた。
 村の人々や、ギルドからの仕事をよくこなし、評判も良かった。
 村長や村人からはずっといるように言ってもらえたが、彼はそうしなかった。

 モンスターに足を奪われたという村の護衛隊長は、火の国で所属していた遊撃隊でも彼の隊長を務めていた。

「ディックス、村の護衛隊では歯が立たないかもしれない」

 一報を受けた男は、すぐにポッケ村へ向かったのだった。
 その仇敵、ティガレックスの首を獲ったのは、世話になった隊長への恩返しであり、滞在目的の喪失でもあった。
 それと察した護衛隊長は、ある晩、男を自宅に呼んだ。

「砂漠の向こうなんだが・・・火山の麓に温泉が出る村があってな」
「・・・」
「ギルドがハンターを送り込んでいる」
「民が困っていると?」
「少々、気の抜けた悩みも多いだろうがな」

 男───ディックスは、次の夜明けには村を起っていた。


(3)に続く

2012/07/17 初版

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